2019年10月 森のたより
運動会の話題が聞こえてくる季節になりました。同時に台風の季節です。モヤモヤする気持ちを少しでもすっきりしようと長良中学校の校長先生のご理解をいただいて降っても照っても12日に行うこととなりました。保護者の皆様の出番も多く、近々玄関ホールに競技の説明ボードが掲示されますので、よろしくご協力をお願いいたします。
さて、いよいよ消費税が上がり、幼児教育・保育の無償化が始まる10月がやってきました。1年半前から大まかには決まっていたもの、ホントに5月に法律ができても危ぶまれた無償化です。
OECDのなかでは国家予算に占める教育・保育費が低い日本ですが、他国以上の無償化に取り組んでもなかなか順位は上がりません。
そもそも乳幼児教育にお金を使うことは、どんな政策よりも国益につながると報告されたのはずいぶん前のことです。ノーベル賞経済学者のヘックマンが「幼児教育の経済学」を出版したのは2015年。悩める国アメリカの教育格差を是正する唯一の方法が乳幼児教育であり、学力重視の認知スキルも大事だけれど、非認知能力こそ人生の成功に不可欠なんだと説きました。
教育格差の問題にとどまらず、多くの国々が様々な社会問題を抱え、新しい舵取りを必要としていましたからヘックマンの提言はOECDでの課題をおおいに後押しして、加盟する国々が新しい幼児教育の形を提案してきました。
それは「非認知能力」への注目でした。多くの国々は日本と同じように幼児教育は認知能力を伸ばすことだと認識してきました。大人は目に見える発達の姿にとらわれがちです。どれだけ言葉を憶えるか、より多くの数をかぞえて数式を操るかに始終していたのです。