2020年5月 森のたより
日本がひっくり返ってしまいました。あれよあれよという間にコロナの渦に巻き込まれてしまったようです。皆様の様々なご協力の中、おおよそ2割程度のこどもたちと一緒に4月を過ごし終えました。
登園を拒否しないでくださいというような政府コマーシャルが流れていることをみると、コマーシャルしなくてはならないほど登園を拒否する保育園があるのかなと思ってしまいます。私の知り合いの園はほとんどが保育を受け入れていて、中には、この政府コマーシャルを見て、とても不愉快に思ったとツイッターした人もいました。
密閉、密集、密接という三密を避けてすごしましょうという呼びかけが人と人との関わりまでもを壊してしまいそうです。近くの公園であそんでいたら市役所に通報されて注意されたとか、自粛警察などと言う時代を間違えそうな言葉ができています。
社会的距離(social distance: ソーシャル・ディスタンス)を保つことが新しい生活様式などと言われます。確かにコロナは恐ろしい感染症でしょう。でも、インフルエンザも命を落としますし、感染症になるならないにかかわらず清潔で健康に留意した生活を営むことは今までも大切なこととしてきました。ハグやチークキス、握手など人と直接ふれあうことで親密であるということを確かめ合ってきた西洋の生活習慣と袖ふれあうも多少の縁などといって衣類の端がふれあうことで近親感を持ってきた日本の生活感覚とは大きく違っています。専門家の人たちには西洋社会科学の目だけでなく、そのような日本文化の歴史を踏まえての提案を望みます。