お知らせ・保育室から

2019年11月 森のたより

森のたより2019.11.01

今年の秋は遅くまでの真夏日と昼夜の寒暖差が激しいからか紅葉の色づきも悪く、なんだか秋が始まる前におしまいになって、冬になってしまうという雰囲気ですね。
「非認知能力」のことを皆さんにお伝えしていますが、NHKのEテレで子育て番組をごらんになったことはあるでしょうか?その番組では汐見先生や大豆生田(オオマメウダ)先生はご存じかと思います。
その大豆生田先生の最近の著書に「非認知能力を育てる あそびのレシピ」という本があります。そして副題には「0歳~5歳児の あと伸びする力を高める」とあります。
今、本屋さんで私たちがのぞく保育書、幼児教育のコーナーに行くと「非認知能力」について書かれた本が目立ちます。又アマゾンで「非認知能力」を検索すると保育者向けの書籍が数多くあります。でもこの本は保育者を対象に書かれた本ではありません。0歳から5歳までのお子さまをお持ちの保護者を対象に書かれているのが大きな特徴です。
そこには、いわゆる子育ての方法(レシピ)が書かれています。どのページを見ても特別な用具や場所を必要とするのでなく、日常として子どもと一緒にいる事をのぞいて特別な条件があるわけではありません。
この本の冒頭、筆者は現代のお母さん達が持っている不安を整理しています。一つは「ワンオペ育児」。私も育児に参加してきたのかと尋ねられれば「ハイ」なんて夢にも言えません。仕事を言い訳にして育児からは逃げていました。「ワンオペ育児」はいつの世でもと言えないでしょうか。でも筆者が言うのは現代の社会事情の中での孤立していく「ワンオペ育児」です。二つ目には先が見えにくい社会だから不安。確かに20年後はどんな職業残っているだろうか。どんな仕事が増えるだろうかと言われても予測がつかないですね。
それは、はたしてこどもたちにどんな準備が必要なのかわからない時代ということです。

加えて第3番目には情報があふれる世界。早期能力開発や子どもへの投資を色々と勧められます。
そのように不安が重なって子育てのストレスが増してしまう。それが現代社会の悩みなんだとのことです。
そういう悩みは日本だけでなく世界中で問題になっていて、そこで注目されているのが非認知能力の育ちであり、それはあそびをとおして育つというのです。
運動会のプログラムはあそびの延長線上にあるよう工夫しました。箱を高く積むあそびは何度も繰り返してきました。相手がいるから、いつも同じ条件で積むことは不可能です。そのたびに工夫が要り、話し合いが必要になります。先月の本便りで非認知能力を「物事に挑戦し、たとえ失敗しても工夫して、最後までやり抜くちからと言えます。」と紹介しました。負けることは失敗したとも言えます。一方、挑戦する力は成功体験が自己肯定感を作り、培われていきます。勝つと作られる自己肯定感、負けると挫折感を味わいます。失敗していたら、或いは、失敗し続けたら自己肯定感は育たず自信の無い自己が育ってしまいそうですね。
実は子どもの生活体験は華やかな運動会や発表会だけではありません。日常生活の中で数え切れないほどの成功体験や失敗体験を繰り返しています。全てがあそびの中で繰り返されます。積み木が積めて成功体験を味わい、崩れて失敗体験を味わい、もう一回積もうと挑戦し、今度は違う方法をと工夫します。めげない気持ち、挑戦する気持ち、自己肯定感は、自分からすすんで関わるあそびの中で薄っぺらかもしれない、小さいかもしれないけれど、すこしづつ積み重ねられ、しだいに大きく育っていくのです。
運動会で多くの人たちがいて、みんなの注目の中で負けたことは敗北感をより大きくしますね。ゆりのT君の号泣して流す大粒の涙は決して嘘ではありません。心から悔しい!のです。でも、そんな大きな悔しさを味わった経験を包み込む自己肯定感がすでに彼にはしっかり育っていますし、今回の「負け」も彼を育てます。
本気であそべば育っているのですが目には見えません。大豆生田先生の「あと伸びするちから」の「あと」は数十年後のことです。
育友会のメンバーの皆さんが育ってきた乳幼児期と今はどのように違いますか?ほんの20年前です。携帯電話はありましたが、いわゆるガラ系。カード決済はあったけどスマホで決済はなかったです。子どもを取り巻く世界、環境は20年前と今では大きく変わっています。皆さんが普通に暮らして育ってきた非認知能力は、今の時代、どのように育つのでしょうか。少し意識して親御さんご自身がおこさまと関わりましょう。そんな提案の本を紹介しました。
ご覧いただくと「これ! 園でやってた」となるのですが、玄関の大人の本コーナーに置いておきます。

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