2019年3月 森のたより
保育見学会で足をテーマにお話しいただいたのですが、その後、色々なメディアで足の問題が取り上げられています。いまさらながら、乳幼児期の大切さを再認識しました。
さて、いよいよ年度末を迎えます。それぞれのクラスに大きな動きがあり、そわそわとした気持ちが伝わってきます。この時期を移行期として、名実ともに色々な活動をしている園はそんなに多くありません。なぜわざわざ移行期としてこの時期を作っているのかには訳があります。
ながらこどもの森は年齢別のクラスは2歳まで、3歳からはマルチエイジのクラス編成になっています。3歳児だけのクラスならば2歳児のクラスがそのまま進級するのですから大きな変化はありません。4月5月生まれで大きな子たちは3歳のクラスになっても同じようにクラスの中で早く生まれた存在として続きます。
しかし、マルチエイジのクラスに進むことは2歳も年上の子たちがいるクラスに入るのです。3歳の世界は蜘蛛の子世代とも言われています。蜘蛛の子とは「ここに居ようね」と言ったそばからみんながバラバラに離れて行ってしまう。お互いを理解しあう言葉は少しあるけれど、人の気持ちを受け止めたり、自分の気持ちを伝えることは十分ではないという時期です。
3歳、4歳、5歳がそれぞれ10人程度という集団はなかなかむつかしいのです。その集団に初めて加わる子たちも、その子たちを迎え入れる子たちも様々な形で自分の中にその集団を迎え入れるのです。でも、むつかしいから育ちがあります。簡単にできることでないから良い学びの場になるのです。3年間を過ごした年長児の子たちが見守る中で新しいクラスを作る試みを始める移行期はとても大切なチャンスなのです。