お知らせ・保育室から

2018年11月 森のたより

森のたより2018.11.01

運動会を終えて、ようやく秋が始まったような気がしています。
さて、今日11月1日は本園での「公開保育」の日です。毎日の保育そのままを県内外の幼稚園、保育園そして認定こども園の先生方に見ていただき、その内容を深めようという催しです。
昨年は乳児3クラスの公開保育をしました。今年は幼児の3クラスを公開します。
今年は「文学」というテーマに取り組んでいます。数年前から教育時間の中で、絵本を読み聞かせることに加えて、お話しを子どもたちに語る「おはなし」の時間を作ってきました。絵本を読み聞かせることが子どもの育ちにどれほど有効であるかは様々なメディアで伝えられ、よく知られているところです。対して「おはなし」はあまり語られてこられなかった分野です。
私自身、母親からお話しを聞いた記憶はありません。但し、祖母からは火鉢の火を火箸で触りながら昔話を聞いたことがあります。この昔話とは「日本昔話」にでてくる「ものがたり話し」でなくて、自分自身が体験したり、村の中でおこった出来事などを語ってくれました。身近な人、身近な場所が登場する話はとても興味深く。何度も聞いたことを思いだします。でも、そんなひとときもテレビの子ども向け時間帯が多くると、次第に無くなっていったように思います。

さて、保育者が子どもたちに語る「おはなし」から育つ力を様々考えることができます。
先ず、集中力です。お話を語るときは子どもたちと真向かいになります。ということは「目が合う」のですね。語り手の表情や視線、声の調子などが直接1人ひとりの子に届きます。いわば、対話していることになるので、聞こうとします。聞きづらいところや声が重なった時などはさらに聞こうとしますし、聞き直すことを要求します。これは自然に意識を集中することを体で学んでいるのですね。
このように聞いている時、1人ひとりの子どもの頭の中では物語のシーンが作られていきます。おじいさんの手から大きなおむすびコロコロと転がり落ちる穴はどれほどの大きさなのでしょう。その穴の中におじいさんが入っていくのですから穴は大きくなったり小さくなったり。ウクライナの昔話が絵本になった「てぶくろ」では森の中に落とされた手袋に最初食いしん坊ネズミが入り込みます。煙突ができて、最後には熊が入ります。でも漁師の足音で最初の大きさに戻ってしまうのです。このような展開をスッと受け入れてしまうのは想像力ともう一つの創造力です。もちろん話し手が、より想像し易くと工夫することも必要なのですが、話し手の頭の中にも物語のシーンが作られているのです。
このように「おはなし」を聞くことは「聞く力」が育つということが言えます。でも聞く力が育つということは「はなす力」が育つことでもあるのです。いわゆる聞き上手になることは話す人の気持ちがわかるようになることなのです。相手に話す時も聞くときも、双方の気持ちを理解しようとの気持ちが働いているからこそ作られる世界なのです。
コミュニケーション能力の育ちが不十分だ。育っていても異質に育っている。などなど子どもたち、或いは大人たちの育ちが伝えられる中で、一体、乳幼児期の育ちに関わる私たちにできることはどういうことだろうかと工夫しているのが「おはなし」、いわゆる文学あそびなのです。
秋の夜長、テレビを消して絵本を読んであげるのも良いのですが、「おはなし」もいかがでしょう。
短いお話しで良いのです。同じ絵本を何度も読んでとおねだりするように、おはなしも「同じお話し」を何度も聞きたがります。同じ話が安心して聞けるのです。兄弟二人、同時に話しかけても聞く方は1人ひとり聞いています。別々におはなしする必要はありません。
よろしければ「おはなし」の本をお貸しします。是非ともチャレンジしてください。

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