2016年7月 森のたより
「自己肯定感」とか「主体のそだち」とか、ややこしい話が続きますが、お付き合い宜しくお願いします。
昭和の子育てと平成の子育て。子を思う親の心は一緒だから子育ても変わらない!と言いたいのですが、幸か不幸かこれだけの環境変化の影響はまぬがれません。昭和の時代に自己肯定感を育てるといってもピンとこなかったでしょう。「そんなの甘やかしたらダメよ」「しつけは厳しく!」と先輩方の声が聞こえてきます。
そのキーワードが多子社会と少子社会なのです。多子社会であった昭和の時代は決してみんなが豊かな生活をしているなどと言えなかったけれど、貧しいが故に寄り添って生きていく風潮がありました。町の空き地、お寺や神社の境内は子どもたちの基地となり年齢差がある中で小さな子を助け大きな子の顔色を伺い、したたかに生きていくことを学びました。勉強することも大切でしたが。学校での評価がその子の将来を決定づけることでもなく、働く大人を身近に感じ、いろいろな生き方があることが実感できました。故に子どもは自立することを求め、早く一人前の大人になろうと思っていましたし、親も手がかからなくなることを待ち望み、我が子が1日もはやく自立することを望んでいました。教育は自立のためにありました。