お知らせ・保育室から

森のたより

2016年8月 森のたより

森のたより2016.08.01

先月の多子社会と少子社会の続きです。今回は心と体について。
3才、4才と違って大きな子どもたちはハートのマークが大好きです。冬の土粘土遊びではハート型のコップやブローチ、花筒の下絵も赤いハートが描かれます。でも窯の中でもより高温の場所では赤色はほとんど燃えてしまい、残念な結果に終わることもあるのですが、ハートの形に子どもたちは何をイメージするのでしょう。愛情とか、友情でしょうか。いずれにしても「ココロ(心)」の中身?ぼんやりしてるけど大切なモノが思い描かれているように思います。
一方で「カラダ(体)」はどうでしょう。数年前に山梨大学の中村先生は「最近の5歳児の運動能力は25年ほど前の3歳児とほぼ同じ」というショッキングな発表をされました。又NHKでは「広がるロコモティブシンドローム予備群」などと番組をつくり、かなりの確率で子どもの骨や筋肉などの「運動器」に疾患のある恐れがあるなどと伝えています。
多子社会の子育てと少子社会の子育ては同じではダメなようですね。毎日体操の有益さは又後日お伝えしますが、心と体はバランス良く成長発達していかなくてはなりません。

2016年7月 森のたより

森のたより2016.07.01

「自己肯定感」とか「主体のそだち」とか、ややこしい話が続きますが、お付き合い宜しくお願いします。
昭和の子育てと平成の子育て。子を思う親の心は一緒だから子育ても変わらない!と言いたいのですが、幸か不幸かこれだけの環境変化の影響はまぬがれません。昭和の時代に自己肯定感を育てるといってもピンとこなかったでしょう。「そんなの甘やかしたらダメよ」「しつけは厳しく!」と先輩方の声が聞こえてきます。
そのキーワードが多子社会と少子社会なのです。多子社会であった昭和の時代は決してみんなが豊かな生活をしているなどと言えなかったけれど、貧しいが故に寄り添って生きていく風潮がありました。町の空き地、お寺や神社の境内は子どもたちの基地となり年齢差がある中で小さな子を助け大きな子の顔色を伺い、したたかに生きていくことを学びました。勉強することも大切でしたが。学校での評価がその子の将来を決定づけることでもなく、働く大人を身近に感じ、いろいろな生き方があることが実感できました。故に子どもは自立することを求め、早く一人前の大人になろうと思っていましたし、親も手がかからなくなることを待ち望み、我が子が1日もはやく自立することを望んでいました。教育は自立のためにありました。

2016年6月 森のたより

森のたより2016.06.01

算数を学ぶ時、足し算から始まって次は引き算というように基本的に教育は系統的に行われます。ですから乳児はともかく、三才以上の幼児になれば、同じように系統的な学びを始めた方が効果的だと思ってしまいがちです。早い段階から「できた」という成功体験を繰り返せば自尊感情も育ち、自分の未来の人生に希望が持てるのではないかと。
でも人生はいつも順風ではありません。時には大きな挫折を味わい、絶望することもあります。積み重ねた成功体験が一度の挫折で崩れてしまうこともあります。乳幼児期に育てる自尊感情や自己肯定感は系統的な学びの成功体験でないのです。基本的な自尊感情を育てなくてはと近藤卓先生は提案されます。
だからと言って乳幼児教育の学びはあそびの中で培われると言ってもなかなか具体的な事例がないとわかりにくいものです。

2016年5月 森のたより

森のたより2016.05.01

こういうのをデビュー効果というとのことですが、4月はながーい一ヶ月でした。こども園になることで色々な手続きにとまどう(まだとまどっていますが・・・)ゆえに時間の流れが遅く感じるようです。子どもたちの4月も、いつもの月と違って長く感じる一ヶ月だったでしょう。新しく入園いただいたお子さんはもちろんのこと、継続して在園している子どもたちも新しい友だちができたり、園の大人のメンバーが変わったりで、どことなく落ち着かないことだったでしょう。もちろん、保護者の皆様方も同じですね。ハナモモ、サクラ、フジと三つの花が咲き始め。咲き終わるまでザワザワザワと落ち着かない4月でした。
連休から始まる5月は、連休で家族の時間を楽しんだ分、朝の別れがつらい日が続くかもしれませんね。でも、そろそろ自分の居場所(からだの基地とこころの基地)が見つかり始めますから、朝、お母さんやお父さんと離れたあとも、どこにも居場所が見つからず悲しいというのではなく、からだやこころが落ち着く場所にいることで、ずいぶん気持ちもおだやかになり、泣いてたことがウソのように遊びが始まるようになります。

2016年4月 えんだより

森のたより2016.04.01

ご入園・ご進級おめでとうございます。
さくらの花びらを重ねて遊ぶ春がやってきました。こうして春の訪れとともにさくらが咲き、舞う花びらで子どもが遊ぶ風景は縄文の頃からあったのでしょうか。散る桜の花びらを見ながいのちの歴史を感じます。
さて、日本の幼児教育を育てた倉橋惣三がいます。彼の著書「幼稚園雑草」に「人に親しむ心は、人に親しむの経験によってのみ養われる」とあります。
人と人との関わりが希薄になりがちな現代社会です。様々な言葉に花も雨でしっとりとしています。でもそれが喜びを包み込むような空気を造り、春の気持ちをもりあげてくれるようです。苗木で植えたさくらの樹も大きく育ち、すっかり「さくら」らしくなりました。園庭の芝も暖かくなるのを待って種を蒔きましたが、毎日まいにちハトとスズメがやってきて真ん中あたりはすっかり種が無くなってしまいました。なかなか思うようにはいかないものです。

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