2021年4月 森のたより
あたたかな春の日差しに園庭桜も満開を過ぎ、ながらこどもの森での一年が始まります。
子どもたちは誰もが新しい環境を楽しみと不安が混じった複雑な気持ちで迎えます。今まで見ていたものや感じていた色々な物事を新しい気持ちで迎えます。こども園は子どもたちが人生で初めて迎える社会です。豊かで優しい心根が育っていくことを願っています。
さて、絵本は子どもたちが初めて出会う芸術作品のひとつです。美しい絵ときれいな色彩は心を華やかにし、写実的な絵や力強い墨絵などの絵本はワクワクと心ときめきます。
それが愛しい人の声で語られ、ページをめくるごとに、次から次へと展開していくのですからウキウキしたり、ドキドキしたり、悲しくなったりして、心が激しく動くのは当然ですね。
さて、「三匹の子豚」の絵本はいろいろな作者の本が出版されています。イギリスの昔話で3匹の子豚の兄弟と狼が登場します。狼が3回子豚を襲い3番目の子豚にてこずって、3回の挑戦にも失敗してしまうというのが大まかなストーリーです。
福音館の本は瀬田貞二訳山田三郎画でドラマチックな絵の1冊です。最初の藁のおうちの一匹と木のおうちの子豚は狼に食べられてしまうのですが、最後は子豚の用意した鍋に落ちて死んでしまい、ついには豚に食べられてしまうのです。裏表紙にはお肉を食べているお年寄り豚の絵が飾られた前で、たぶん孫ぶた?たちが集まっている姿もおまけで描いてあります。