毎年9月の運動会を区切りにして、年長児にはアプローチプログラムを意識した教育が始まります。運動会で所属するマルチエイジクラスをリードしてきた年長児は10 月中旬に予定される「おとまり会」に向けて活動の切り替え、気持ちの切り替えができるよう見通しを持って計画をたて、期待を持ってその時を楽しみに待ちます。
就学時健康診断を経て、お遊び発表会での年長クラスの発表に向けての練習も意欲的に取り組むことができます。
12月に入ると午後の休息の2時間は教育時間となり、百人一首やカルタあそびなど数や文字への興味をより満足する教材や、将棋など、より複雑な約束を必要とするゲームを体験したりすることも始まります。
1月を迎えると土粘土をつかって自らイメージした世界を表現する遊びにも挑戦し、目的に向かってじっくりと集中して取り組み、共同で使う教材や道具を大切に扱うなど、公共性や社会性を育てます。
移行期になる3月は、3歳以上児だけのクラスを作り1ヶ月後の小学校生活を楽しみに待ちますが、ながら子供の森卒園式を迎える前に、先輩として年長会議の受け継ぎや清掃活動などを通してクラスの伝統を年中児に伝え、感謝の気持ちや願いを託す喜びを感じることができます。
3月は園全体が移行期を迎えます。就学を1ヶ月後に控えた年長組は1階2歳児の「すみれ」にクラスを作ります。そして年長としての様々な課題の仕上げを目指します。
そして、年長がいなくなった「さくら」「ふじ」「ゆり」の3クラスには2歳児クラスの「すみれ」の子たちが3つのグループに分かれて3歳以上児としての「ならし」が始まり、新しい教育・保育への試みが始まります。
マルチエイジクラスは子どもが体験する初めての社会集団です。そこは気持ちの良い空間でなくてはなりません。兄弟姉妹、仲が良い友達も一緒のクラスです。一度決まればクラス替えは無く、3年間は同じ部屋で暮らします。手を引かれて散歩したり、わからなかったことを教えてもらった体験は、やがて自分が小さな子の手を取り導いていく姿を連想できます。助けられたことを今度は助けていく。クラスはみんなが繋がっていきていくことを実感する。そういう「安心の場」なのです。
「めざす環境」は、一朝一夕にできるものではありませんが、「モデルをさだめる保育」は、保育者にとってしっかりした目当てを持つこととなり、カンや経験、そして思い込みに頼らない、考え、確かめる保育を進めることになります。
今の子どもの姿、発達をより正確に知ることはとても必要なことです。この「アセスメント」は本来それぞれの保育教諭が行うのですが、5年の教諭としての経験を積んだ保育教諭は保育心理士の資格を取得して専門性を生かして子どもの姿をとらえます。
そのための学習の一環として個別記録の記載方法を工夫し、個別の発達をよりとらえやすくする工夫を行っています。
お子様の発達や成長が気になったり、子育てについて心配なことは担任の保育心理士である保育教諭や園長に相談していただけますが、心理の専門家に相談したり、あるいはカウンセリングを受けていただくことも可能です。
そのために加藤豊弘先生(学校心理士)を専属の相談員としてお招きしています。
やがてどのような子どもを小学校へ送り出すのかというイメージを持って保育を組み立てていくのは大切なことです。
あまり聞きなれないマルチエイジクラスでの活動での保護者の不安は年長児の育ちです。はたしてどのような指針の示すねらいや内容からこれらをイメージをこともできますが、本園では以下に示す15の姿をイメージしています。
世界にはいろいろな人がいて、ことばがあります。そういう異文化に実際触れることはとても大切なできごとになります。ECCに委託してネーティブ講師による英語に触れる機会を3歳以上児で月1回行なっています。
日頃から園庭や周辺の自然環境を生かし、課業の中で風、空気、水、樹木、川などのテーマを設けて興味や関心を広げるとともに、スエーデンのエコロジー教育のムッレを題材にするなどして自然観察をかかさないよう心がけています。又、年長児は法人が所有する大垣市上石津町にある「ムッレスチューガ」に訪れて「おとまり会」で訪れ、里山での野外活動を通しての原体験が得られるよう工夫しています。
土ねんどを成形して、年に一度、園が所有する「もくもく窯」での焼成をおこなっています。