2018年2月 森のたより
保育見学会にはたくさんの皆さんにお越しいただきホントにありがとうございました。そして多くの励ましの言葉もありがとうございました。
また、保育内容についての貴重なご意見、ご要望もいただき誠にありがとうございました。
これまでの幼児教育への期待は、すぐ間近に控えた小学校入学への補完教育としての位置づけを求められてきた一面があります。そして、保育現場もその要求に応えようと様々なメニューをカリキュラムの中に組み入れてきたようです。
ながらこどもの森も学校という位置づけの幼保連携型認定こども園になったのだから、早速そのようなプレスクールとしての教育内容を期待していただいているのかもしれません。しかし、今回の教育保育要領では幼児教育の場が小学校の各教科活動の補完のためにあるのでなく、0才から修学までの乳幼児期を一貫して自発的な活動としてのあそびの中で育つことを目指しています。
で、「遊び」といってもわかりにくいですね。でも、大雑把に言えば2種類の遊びがあります。
一つは受け身の遊び。例えばテレビを見るというのは受け身の遊びですね。画面が変わっていく、見ているこちらは何も変わらないけどハラハラしたりウキウキしたり遊びます。これは遊園地に遊びに行くというのも受け身の遊びが多い。ほとんど並んで並んで順番が来たら、指示されたところに座る。座った椅子が動いて周りが色々変わる。色々体験して楽しむわけです。ゲームももちろん受け身の遊びですね。子どもたちを楽しませる遊びですね。
もう一つの遊びは関わる遊びです。園で子どもたちに体験してほしいのはこちらの遊びです。例えば以前は誕生会は月一回、ホールで行っていました。その月の当番の先生達が出し物をして子どもたちが見て楽しむというものです。受け身の遊びですね。それも楽しいでしょうが、誕生日は自分が生まれた日であって、まとめてしまう物ではないだろうし、自分の名前がはめ込まれた歌を1曲聴くだけじゃなくって、その子にみんなで質問したり、おしゃべりを聞いたりして、特別な日であるべきでたくさん関わることができるだろうからと今のようなその日ごとの誕生会になりました。
積み木や砂場はその前にいても何にもおもしろくない。関わることで面白さができる。これこんな風に遊ぶとおもしろいよと、はじめは習うけど、そのうち自分でやってみる。さらにその遊びが変化していく。こうすればもっとおもしろいよと友達に伝える。そういう広がりがあるのです。
保育見学会が終わった数日あと長良中学からたくさんの子達が手作りのおもちゃを持って訪れてくれました。子どもたちは大喜び。一つとして受け身のおもちゃはなく、関わるおもちゃばかりでした。何がおもしろいかを彼らは良く知っています。「これをこうして・・・・こうすると・・・・ね、マジおもしろい」自分でやって見せると子どもたちは食いついてきます。
では何でも良いのかといえば、そうではなくて、子どもたちに体験してほしい内容を健康、人間関係、環境、言葉、表現という5領域に分けて国から示されているので、私たちは園独自の全体的な計画を作っているわけです。
その示されている教育保育要領が新しくなり、これまで以上に幼児教育は小学校教育の補完でなく、子どもの発達を十分見据えて幼児期にふさわしい教育をしましょうと言うことになり、かなり大きく変更されました。
大変な時代だからこそ今までの教育でなく、新しい教育が必要だと示されています。