2021年7月 森のたより
教育見学会にはお忙しい中をお出かけいただきありがとうございました。
毎年、同じシーンをご覧いただいていますから、年少の時、年中の時の姿を思い出され、確かな成長をご覧いただけたと思います。特に年長児は毎日の日課、様々な行事を通じて年長児としての自覚が高まっていきます。
クラスをまとめることも工夫が必要なことを感じます。この工夫は何かを言葉で伝えたり文字であらわしたりすることもあるのですが、その大部分はこころの工夫です。ゆずったり、我慢したり、調整したり、話し合いを必要と感じたり。主張したことを譲れないこともあって泣きながら自分の言いたいことをみんなに伝えることもあります。
その都度、子どもたちのこころは深みを増し、広さを増し、豊かさを増します。目に見えている部分は、実はほんの一部なのです。
とにかく、久しぶりのゲストの来園で子どもたちも落ち着かず、とまどう姿も見られましたが、なんとか3日間を元気に過ごしてくれました。
心より感謝申し上げます。
その際、夏の炎天下でのプール遊びを含めての保育時、保育者の熱中症予防の観点などから一時マスクを外すことを提案させていただきました。
笛で合図をするのは一年を通じてプールの時だけですが、水の事故対策なども考えると、不安を感じるご意見もありましょうが、ご理解をお願いいたします。
さて、ある保護者の方からご提案いただきました。それは挨拶についてです。どうも登園や降園の風景にあって、大人同士、子ども同士、大人と子ども、子どもと大人のかかわりに挨拶が聞こえないというものです。
テレビなどでもこのコロナ禍で、これまで普通に交わしていた挨拶がされなくなっていて、疎外感をもつようになっていると報道されることもしばしばです。
感染予防ということで、より一層声を出さなくなり、お互いが言葉を聞いたり交わしたりするのを避けるようにする毎日になってしまいました。
挨拶の習慣は抱擁やキス、あるいは握手など体が触れ合うものも多くあるのですが、私たちの国では言葉を交わしお辞儀をするだけの極めてシンプルなものです。
コロナ禍は十分承知ですが、ワクチン接種の進む中で、もちろんマスク越しに、登園、降園時の挨拶を、お互いよろしくお願いいたします。
もちろん挨拶は強要されるものではありません。普段の何気ない生活の中で培われます。
実は、園での挨拶の少し前の時間。お家でお子様が目覚めた時はいかがでしょう。
パパやママからの「おはよう」との声掛け、家人同士の朝の挨拶。そこから小さな社会が始まっています。お家でも園でも、大人同士の姿を見て子どもたちも挨拶を学んでいきます。子どもたちの社会性を育てる上でもとても大切なことだと思います。
園は子どもの教育の場だから、先ずは子どもにさせようと、子どもに挨拶を誘う姿も見えますが、まず大人同士がしっかり挨拶を交わし、子どもにお手本を示したいものですね。